もっと人間関係力を高めたいあなたへ、パフォーマンス心理学博士が贈る聖書のことば
佐藤綾子の
人とつきあう聖書の知恵
第15回
プロフィール
佐藤綾子(さとうあやこ):
日本大学藝術学部教授。博士(パフォーマンス学・心理学)。信州大学教育学部、ニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究学科卒業。上智大学大学院文学研究科博士課程修了。1980年、日本初のパフォーマンス学創始。以降、各種ビジネスのブレインとして幅広く活躍中。著書150冊。最新刊『日経 WOMAN 元気のバイブル』(日経ビジネス人文庫)、『なぜあの人は尊敬されるのか』(中経出版)、『新版 かしこい女は、かわいく生きる。』(PHP研究所)。「佐藤綾子のパフォーマンス学講座(R)」を主宰。社団法人パフォーマンス教育協会(国際パフォーマンス学会)理事長。
ホームページ=http://www.spis.co.jp/
「人はプラスオーラに集まる」
─ 喜びのコツ
誰だって毎日生きていれば楽しいことばかりが起きるとは限りません。友情や信頼を失ったり、失業したり、肉親を亡くすこともあるでしょう。たくさんのうれしいこととほとんどセット販売のように、悲しいことや苦しいことや辛いことも起きてくるのが私たちの常です。
そんな時、つい私たちは、誰かれかまわず自分の辛さを打ち明けたい心境になります。さらにそこで、自分のことを低く言えば、相手が励ましてくれるだろうという無意識下の期待に基づいて「私など何もできない人間です」とか、「記憶力が悪くて何も覚えられない」、「何でこんなにデブなんでしょう」などと様々なマイナス事項を言います。さて、聞いた人はこれにどう反応するでしょうか。
とりあえずは、何とか励ましてやりたいと思い、まず、相手が発信してきたマイナスのメッセージを打ち消す作業に入ります。まるで「火消し」です。「大丈夫、あなたは頭がいい。あなたはデブではない。あなたは何でもできる」というふうに打ち消して励ましてあげます。
実はこのような自己表現のしかたを「自己卑下的自己呈示」とパフォーマンス学心理学では呼びます。自分の価値を低く言い、それによって、本能的に人からの同情を得ようというわけです。これが一度や二度ならいいのですが、何度も続いていると相手は心の負担をおぼえます。なぜでしょうか。
相手もまた、「自分だって同じようにたくさんの苦しみや欠けているところを自覚しつつ、それでも雄々しく闘っているじゃないか」と内心思うからです。励まして頂戴、慰めて頂戴のオーラを出されるのも、度重なるとストレスになります。そして、人が逃げて行きます。
「AURA」は、「人または物体から発信される特別な光」です。オーラは、時によりプラスの、時にはマイナスのオーラに分かれます。今、最初に書いたのはマイナスのオーラで、人が逃げます。一方、プラスのオーラは「うれしい、感謝しています、喜んでいます」と人に伝える光です。顔中ニコニコとほほえみを浮かべて目を輝かせて相手を見つめ、明るい声で話す。そんな時のあなたの顔からはプラスのオーラが発生します。それを見て周りの人はこの人と一緒にいるときっといいことがあるに違いない、と思うわけです。
マイナスオーラを発信している人を世間の人は、「貧乏神」と呼んだりします。では、プラスオーラを発信している人は何神なのでしょうか。これはきっと「勝利の女神」、だと思います。男性だったら「勝利の男神」でしょうか。どちらも聖書に戻れば、よくよくわかることです。
新約聖書・ピリピ人への手紙四章4節「いつも主にあって喜びなさい。もう一度言います。喜びなさい」
神さまは、私たちに何があっても喜べと言っているのです。でも、「喜べないわ。ひどいことばかり起きるから」と私たちはその声に対してすぐに不満を言います。そこで、もう一度、神さまから命令の声が響きます。「もう一度言います。喜びなさい」と。二度も言われてわからないなんて、本当に申し訳ないではありませんか。
もう一度書きましょう。人はプラスオーラに集まるのです。
喜ぶコツは、今起きていることがらのすべてに感謝することでしょう。最高のパフォーマンス「ATT(明るく、楽しく、ためになる)自己表現」がここで完成します。